離檀(りだん)の進め方 ― お寺への切り出し方と離檀料の考え方
お墓を別の場所へ移す(改葬する)ときには、これまでお世話になったお寺との関係を整理する「離檀」が必要になる場合があります。離檀の際に渡す「離檀料」は、法律で金額や支払いが定められた費用ではなく、お布施の一種と説明されています。一方で、公的な相談窓口には高額な請求をめぐる相談も寄せられています。この記事では、公的資料でわかっている範囲の事実と、落ち着いた進め方の目安を整理します。
離檀・離檀料とは
**離檀(りだん)とは、これまで所属していた寺院の檀家(だんか=特定の寺院に属し、お布施などでその寺院を支える家)**をやめることをいいます。**改葬(かいそう=いまのお墓から遺骨を取り出し、別のお墓や納骨堂などへ移すこと)**にともなって行われることがあります。
離檀料は、離檀の際にこれまでの供養へのお礼としてお寺に渡すお布施を指して使われる言葉です。
離檀料は法律で定められた費用ではない
改葬などの手続きの根拠になる法律に、**墓地埋葬法(正式名称「墓地、埋葬等に関する法律」=埋葬・火葬・改葬の許可制度を定める法律)**があります。同法が定めているのは埋葬・火葬・改葬の許可のしくみであり、条文に「離檀」「離檀料」という言葉は登場しません。寺院と檀家の関係は、この法律が扱う対象の外にあります。
国民生活センターは、離檀料について「寺にお礼として支払うお布施の意味を持つもので、現状は、料金に明確な基準はありません」との見解を示しています。金額をめぐって折り合いがつかない場合、基本的には当事者どうしの話し合いになるとされています。
高額な請求が公的窓口に寄せられている
公的な相談窓口には、離檀料をめぐる相談が実際に寄せられています。
- 国民生活センターの「みまもり情報」では、遠方のお寺の檀家だった高齢者が遺骨などを近くの納骨堂へ移したいと申し出たところ、「250万円支払うように」と言われた事例が紹介されています。
- 神奈川県の消費生活に関する注意・警戒情報(2025年公表)では、実家のお墓を自宅近くの納骨堂へ移したいとお寺に相談したところ「離檀料として200万円かかる」と言われた事例が紹介されています。
なお、お墓の撤去・更地化にかかる費用は、離檀料とは別に発生します。費用は寺院・業者・地域によって大きく異なるため、複数の見積もりを取って比べることが勧められています。
落ち着いて進めるための目安
- 改葬を決めたら、できるだけ早めに、これまでの供養への感謝とともに、継承者がいない・遠方に住んでいるといった事情を伝えることが、実務上のトラブルを避けるうえで役立ちます。
- 改葬許可の申請には、いまのお墓の管理者(お寺など)が発行する埋蔵(まいぞう)証明などの書類が必要になります。この発行を依頼する立場でもあるため、関係をこじらせない進め方が実務のうえでも大切です。
- 提示された金額に納得できないときは、その場で即断せず、各宗派の本山や消費者ホットライン「188」などに相談することが勧められています。
困ったときの相談先
- 各宗派の本山
- 消費者ホットライン「188(いやや)」
- 法律の専門家
- 最寄りの消費生活センター・国民生活センター
改葬の手続きそのものについて
離檀と並行して、市区町村への改葬許可の申請が必要になります。申請書の書き方は改葬許可申請書の書き方を、遺骨のある市区町村の窓口・様式はトップページの検索からお住まい(遺骨のある場所)の自治体ページをご確認ください。
この記事は法的助言ではありません
この記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の事情は、自治体窓口・各宗派の本山・法律の専門家などにご確認ください。手数料・必要書類・郵送可否など手続きの具体的な内容は自治体によって異なります。最新の情報は必ず自治体窓口でご確認ください。
最終確認日: 2026-07-06
出典
- 国民生活センター FAQ No.1142「改葬したいと伝えたら、寺から高額な離檀料を請求された。納得できない。」 https://www.faq.kokusen.go.jp/faq/show/1142?site_domain=default
- 国民生活センター みまもり情報 第286号 https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen286.html
- 神奈川県 消費生活注意・警戒情報 第82号(2025-10-06) https://www.pref.kanagawa.jp/docs/r7b/cnt/f370214/300815.html
- 墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048